複数の目標までの距離の差を識別する能力を深視力(Depth Perception : DP)と言います。
精度の高い深視力を得るには、視力が良いことが絶対条件です。
また、同時視、融像、立体視、眼球運動などの両眼視機能が必要です。
運転免許試験場の実際の検査では三桿(さんかん)試験という形を取ります。
具体的には、機械を覗くと三本、棒が並んで立っています。
そのうち、左右の棒が固定され、中央の棒だけが動いているので、三本が一直線に並んだ時にボタンを押して動きを止めるという試験を行います。
この三棹は細い縦長であるので乱視の種類によっては、見にくい場合があります。
乱視軸による分類では、直乱視【乱視軸が0°(180°)または それに近いもの。】の方が深視力への影響が少ないですが、
倒乱視、斜乱視は深視力に及ぼす影響は大きいようです。
統計処理上は0~30°および150~180°を直乱視、60~120°を倒乱視、それ以外を斜乱視として扱ったものが多い。
直乱視、倒乱視、斜乱視は一般に多いとされる近視性乱視眼が遠くを見たときの見え方によって分類されたものである。
遠方視で縦方向が横方向に比べて明瞭に見える状態を直乱視、逆の状態を倒乱視、斜め方向が明瞭に見える状態を斜乱視と呼んでいる。
参考文献 :*眼鏡学ハンドブック 眼鏡光学出版株式会社 日本眼鏡学会 眼鏡学ハンドブック編纂委員会編
*公社)日本眼鏡技術社協会会報 Vol151 キクチ眼鏡専門学校 中島功人 指導 伊藤克也